📋 手続きの記録

初めての算定基礎届、e-Gov とマイナンバーカードで提出するまで

約5,200字
ノートPCの手前で、ICカードリーダーにマイナンバーカードを載せて読み取り中

うちの会社 (役員は私1人) に、日本年金機構から「算定基礎届」の提出案内が届きました。社会保険に加入している会社が毎年7月に出す届出のようで、私は今回が初めてです。調べながら e-Gov で電子申請し、受理されるところまでいったので、様式のどの欄に何を書いたか・その値をどこで確認したかを記録しておきます。

算定基礎届とは

4〜6月に支払った報酬を届け出て、9月から翌年8月までの標準報酬月額 (社会保険料の計算の基準になる額) を決めてもらう手続きです。日本年金機構の定時決定 (算定基礎届) のページに制度の説明があります。要点は次の通り。

  • 提出期間は毎年 7月1日〜7月10日
  • 対象は7月1日時点の被保険者全員。役員1人だけの会社でも、その1人が被保険者なので対象
  • 出し方は電子申請・郵送・窓口持参など。私は e-Gov で電子申請した
日本年金機構から届いた封筒。「社会保険関係書類提出に関する重要なお知らせです」の帯
届いた封筒。中身は宛名用紙と、記入例や電子申請の案内などのリーフレット類でした

e-Gov で出す手順

用意したものは、e-Gov アカウント (メール+パスワード)、電子署名用のマイナンバーカードと ICカードリーダー、JPKI 利用者ソフト、e-Gov 電子申請アプリです。GビズIDプライムを持っていれば署名なしで出せます (補足で後述)。調べものと段取りは Claude Code に頼み、入力と判断は私がしています。

以降の「私の場合」の値は、次の前提のときのものです。

  • 被保険者は役員の私1人 (70歳未満)
  • 役員報酬は月10万円で固定 (現物支給なし)
  • 給与は末日締め・翌月払いと届け出ている

1. 手続検索で「単記用」を開く

e-Gov にログインし、手続検索で「算定基礎」と入れると「CSVファイル添付方式」と「単記用」の2つが出てきます。被保険者が1人なら、画面に直接入力できる「単記用」で出せます。同封の案内で紹介されている CSV 方式は、「届書作成プログラム」という専用ソフトでデータを作る方式で、従業員が多い事業所向けです。どちらで出しても同じ算定基礎届として受理される、とは AI (Claude Code) の説明で、私が試したのは単記用だけですが、問題なく受理されました。

e-Govの手続検索で「算定基礎」と検索した結果。単記用とCSVファイル添付方式が並んでいる
手続検索で「算定基礎」。単記用と CSV ファイル添付方式が並びます
算定基礎届 (単記用) の入力様式プレビュー。紙の様式と同じレイアウトの入力欄が並ぶ
単記用の入力様式。紙の届出書と同じレイアウトをブラウザで埋めていきます

2. 記入する欄と、その値をどこで確認したか

様式の欄ごとに、何を書くか・私が何を見て書いたかの一覧です。届いた宛名用紙に印字されているのは事業所の情報だけで、被保険者側の値は自分で確認する必要がありました。

書くこと私の場合・確認した場所
①事業所整理記号事業所ごとの記号届いた宛名用紙に印字
②所在地・名称・事業主氏名・電話会社の情報宛名用紙・登記の通り
④被保険者整理番号社保加入時に振られた番号加入時の通知書 (下記)。マイナポータルの健康保険証の資格情報「記号・番号」の番号でも確認できた
⑤⑥氏名・生年月日被保険者本人の情報
⑦適用年月提出した年の9月令和8年9月
⑧従前の標準報酬月額 (健・厚)いま適用されている額加入時の通知書 (私は健98・厚98千円)
⑨従前改定月⑧が決まった年月加入時の通知書の資格取得年月
⑬給与計算の基礎日数 (4・5・6月)月給なら、給与の対象期間の暦日数 (翌月払いなら前月分)末日締め・翌月払いと届けているので 31 / 30 / 31
⑭報酬月額 (4・5・6月)各月に支払った額役員報酬 100,000円 ×3
⑰総計・⑱平均額3か月の合計と平均300,000円 / 100,000円
⑳個人番号70歳以上被用者の場合のみ記入70歳未満なので空欄
⑩⑪⑲㉑ 昇給・遡及・修正平均・備考該当がなければ空欄空欄
提出先管轄の年金事務所 (事務センター)過去に受理された届出の公文書の発行元で確認

④⑧⑨の「加入時の通知書」は、社保に加入したときに日本年金機構から交付される「資格取得確認および標準報酬決定通知書」のことです。私は e-Gov で加入手続きをしたので、そのとき受け取った公文書 zip の中にありました (紙で受け取った場合はその書類です)。探すのは AI に頼み、ダウンロードフォルダに残っていた zip から見つけてもらいました。翌年以降も参照する書類です (保管の話はまとめで)。

3. 電子署名して提出

「内容を確認」を押すと証明書の選択画面が開くので、ICカードリーダーにマイナンバーカードを載せ、署名用電子証明書のパスワード (英数字6〜16桁) を入れて署名し、提出します。到達番号が付くので、控えの PDF を保存しておきます。

4. 受理の確認

審査は到達の翌朝に始まり、4日で「手続終了」になりました。e-Gov のマイページに公文書「標準報酬決定通知書」が交付され、標準報酬月額は従前と同額の98千円で等級変動なし。保険料も変わりません。毎月の保険料の納付については「法人の厚生年金保険料を、Web21のペイジーで納付する月末の定例作業」に書いています。

e-Govの申請案件状況画面。ステータスは手続終了
申請案件状況。到達の翌朝に審査が始まり、4日で手続終了

補足

電子申請のもう1つの方法 — GビズID

届いた案内では、電子申請の方法として「GビズIDを利用する方法」と「e-Gov (電子証明書) を利用する方法」の2つが紹介されています。違いは提出時の本人確認のしかたです。

方法用意するもの電子署名
GビズIDGビズIDプライムのアカウント (無料)不要
e-Gov+電子証明書e-Govアカウント+電子証明書 (マイナンバーカード等)+ICカードリーダー必要

e-Gov にメール+パスワードでログインするだけでは提出までは進めず、どちらかの用意が要ります。GビズIDプライムは今はマイナンバーカード+スマホでオンライン申請すれば最短即日発行とのこと。また e-Gov の利用準備ページによると、GビズIDプライムで e-Gov にログインして電子署名を省略できる手続きもあります。

私は ICカードリーダーを持っていて e-Tax でマイナンバーカード署名の実績もあり、会社設立時の届出も e-Gov+マイナンバーカード署名で受理されていたので、e-Gov の方を選びました。

「証明書がありません」になったとき

署名の画面で一度「証明書がありません」と表示されて止まりました。AI に e-Gov アプリのログを見てもらうと、証明書リストの構築時に毎回 IncludeMyNumberCard:False と記録されていて、アプリがマイナンバーカードを候補に含めていない状態でした。確認した内容はこうです。

  • カードリーダー: 正常に認識
  • スマートカードサービス: 稼働中
  • JPKI 利用者ソフト単体: 証明書の表示も有効性確認も問題なし
JPKI利用者ソフト ver3.7 のメニュー画面。「自分の証明書」ボタンなどが並ぶ
切り分けに使った JPKI 利用者ソフト。ここで証明書が読めたので、カードとリーダーは正常と判断できました

ハードウェアも証明書まわりも正常のまま、PC を再起動したところ証明書は表示され、署名できました。この日は e-Gov アプリの更新を求められて更新した直後だったので再起動待ちの状態だったのかもしれませんが、そこは確かめていません。なお、少し前にマイナンバーカードを更新していたのですが、JPKI 単体で証明書を読めていたので、結果的には関係なさそうでした。

使った道具: ICカードリーダー

私が使っているのは、法人の e-Tax 対応のときに Amazon で買った FFZZKJ の USB 接続リーダー (購入当時 949円) です。個人の確定申告はスマホのカード読み取りだけで完結するようになりましたが、法人の手続きは、私が試した範囲では PC+リーダーが必要な場面が残っています。

USB 2.0 ICカードリーダーのパッケージ。「お家で確定申告」のコピーが入った白い箱
箱のコピーは「お家で確定申告」。e-Gov でもマイナポータルでも使っています

公的個人認証サービスの対応機種一覧に載っている検証済みの機種は数千円するものが多く、私のは一覧にない聞き慣れないメーカーの製品だったので少し心配でしたが、949円なら使えなくてもいいかと思って買ってみたところ、e-Tax・e-Gov・マイナポータルのすべてで動いています (私の環境での話です)。

使えないリスクを負いたくない人は、対応機種一覧に載っているものから選びましょう。一覧に載っている機種のうち、楽天で新品を扱っている例をメーカーごとに3つ挙げておきます。3,000円〜4,000円台です。

サンワサプライ ADR-MNICU2 (接触型・カードを挿すタイプ):

ソニー RC-S300 / PaSoRi (非接触型・カードをかざすタイプ):

アイ・オー・データ USB-NFC4S (非接触型):

その他のものは、楽天市場で「ICカードリーダー マイナンバーカード」を検索で探してみてください。

ちなみに: 封筒に入っていたもの

宛名用紙のほかに、こんなリーフレット類が入っていました。

算定基礎届の提出案内の見開き2面
算定基礎届の提出の案内。提出方法 (電子申請・届出用紙・電子媒体) や注意事項、問い合わせ先
算定基礎届の記入例とQ&Aの見開き
算定基礎届の記入例 (左) と Q&A (右)
キャリアアップ助成金の案内の表と裏
キャリアアップ助成金 (年収の壁対策) の案内 (左が表、右が裏)
短時間労働者の社会保険についてのお知らせの表と裏
短時間労働者の社会保険についてのお知らせ (左が表、右が裏)。保険料負担を支援する制度と、任意特定適用事業所の手続き
社会保険手続きのオンライン化の案内
社会保険手続きのオンライン化の案内。GビズIDや e-Govアカウント+電子証明書、オンライン事業所年金情報サービスの紹介

余談

着手は提出期間の終わる前日の夜になりました。案内は提出期間の前の月に届いていましたが、届いた時点では提出できません。普段は「届いたらすぐやる」でタスクを残さないようにしているので、開始日が決まっている手続きは後回しになりやすく、加えて提出期間中はサッカーワールドカップの観戦でまとまった時間が取れませんでした。間に合わなくなっても締切日の当日に年金事務所へ直接持参する手が残っているので慌てる状況ではないのですが、郵送は間に合わない時間だったので、電子申請にしました。署名で止まった分を含めて、着手から1時間半ほど、23時17分に提出完了でした。

細かいところでは、支払基礎日数は AI も最初は当月払い前提の 30 / 31 / 30 を示していて、過去の届出データに翌月払いと登録されているのを確認して訂正が入りました。個人番号の欄には、あとで正しい番号を入れるつもりで仮の値を入れていたのですが、ラベルをよく読むと70歳以上の場合のみで、空欄にしないといけない欄でした。

まとめ

  • 算定基礎届は毎年7月1日〜10日。案内が届いた時点では提出できないので、6月末にカレンダーへ
  • 被保険者が1人なら、e-Gov の「単記用」に直接入力するのが手軽
  • 整理番号・従前の標準報酬・改定月は、加入時の「資格取得確認および標準報酬決定通知書」に載っている
  • 個人番号の欄は、70歳未満なら空欄
  • 署名で「証明書がありません」と出たときは、PC の再起動で解決した (私の場合)

加入時の通知書は紙やデータで手元にあり、自分で探せばよかったのですが、面倒だったので AI に頼みました。結果、AI が扱いやすい公文書データがダウンロードフォルダにたまたま残っていて、そこから値が揃いました。今後も AI に頼みやすいように、e-Gov の控えと公文書はデータのまま、クラウドストレージに「手続き名+到達番号」でフォルダを切って保管する形に整えています (ローカルにも同じ構成のミラー)。来年の分はタスクとして登録して、作業は AI に任せる予定です。同じ届出を初めて出す方の7月が、少し楽になればうれしいです。

参考リンク

公式・一次情報

同じような体験をされた方のブログ