もうすぐ2歳のこどもと冷やしきゅうり — 実物を見せて目の前で切ったら食べた話

もうすぐ2歳 (1歳11か月) のこどもが、冷やしきゅうりを1本の半分食べました。以前に野菜スティックを出したときは食べなかったので、出し方の順番を少し考えて臨んだ結果です。様子を見る限り、もっとあげれば食べたと思います。
やったことはシンプルで、「丸ごとの実物を見せて、名前を言ってもらってから、目の前で切る」。数日前に桃で見つけた手順の再現です。
きっかけは桃での観察
数日前、桃1個をそのままこどもに見せて「もも」と言ってもらってから、テーブルにまな板と包丁を置いて、切っているところを見せて、小さくして出したら食べました。
実はその前に桃の缶詰を出したときは食べませんでした。ところが、桃1個を食べた翌日に桃缶を出したら、今度は食べました。
ここから立てた仮説はこうです。切り身やスティックの状態からいきなり出すと警戒するが、「本体」を先に知ると食べ物として認識する。あくまでうちの子ひとりを見ての話ですが、試す価値はありそうです。
次の題材にきゅうりを選んだのは、最近本人が「きゅうり」と言うようになっていたからです。絵本やテレビできゅうりを見ては言葉にしていて、実家できゅうりの漬物を少し食べたこともありました。野菜スティックで一度食べなかった実績のあるきゅうりなら、検証対象としてもちょうどいい。
準備 — きゅうり1本 75円
近所のスーパー「オーケー (OK)」できゅうりを1本購入。税抜き75円でした。
余談ですが、オーケーには「現金払いに限り食料品3%引き」の制度があります。今回は大阪のプレミアム付き商品券 (地域QR) で支払ったのですが、レシートを見るとちゃんと3%引きが入っていました。きゅうりの割引分は2円、実質73円です。

下処理はふたつ。
- イボ取り: 新鮮なきゅうりはイボの先端がとがっていて、握ると少し痛い。こどもが触ったときに嫌がる可能性を考えて取っておきました。手でこすったくらいでは取れず、爪で取りました
- 冷やす: 洗って丸ごと冷蔵庫へ
塩もみはしていません。今回の目的は「きゅうりそのものを認識して食べるか」の確認なので、味付けなし、大人もこどもも同じ条件です。
なお、事前にAI (Claude) に相談したところ、「きゅうりはヘタ側がまれに強く苦いことがあるので、大人が先に端を味見してから出すとよい」という助言がありました。ウリ科の苦味成分 (ククルビタシン類) は強すぎる場合は食べないほうがよいそうです (和歌山県の解説ページ)。今回は味見して問題ありませんでした (じつは私はきゅうりが苦手なのですが、それでも味見はしました。この話は後述します)。
タイミングの設計
もうひとつ考えたのが、お腹が空いているときに出すことです。
ごはんの途中に出して食べなかった場合、「きゅうりが嫌なのか、お腹がいっぱいなのか」の切り分けができません。そこで、夕食の準備は保育園のお迎え前に済ませておき、夕食の一番最初にきゅうりを出すことにしました。
本番 — 実物を見せてから、目の前で切る
夕食の最初、冷蔵庫から出した丸ごと1本をこどもに見せます。「きゅうり」と言ってもらい、持たせてみると、興味を示してそのまま口に運ぼうとしました。ここまでは想定以上の反応です。
丸かじりはまだ難しい月齢なので、ここからは目の前で調理します。ピーラーで皮をむき、2〜3mmの薄切りにして、少しずつお皿にのせていきました。
なお、食べさせるのを優先したため、調理中や食べている最中の写真はありません。残っているのは食後の記録だけです。


結果は冒頭のとおり、勢いよく食べて1本の半分を食べました。どうやらきゅうりを好きになったようです。よかった。
副次的な観察もひとつ。食事の途中でほかの食材に飽きたのか立ち上がろうとしたとき、きゅうりを見せたら座って食べました。席に戻るきっかけとしても機能した形で、これは予想していなかった効果です。
切り方を薄切りにした一番の理由は、これまでの観察から、新しい食材の最初のひとくちは小さめがよさそうだと分かっているからです。大きいと口から出してしまうことがあり、そうなると「おいしくなかったのか、大きすぎただけなのか」が分からなくなります。
なお、これとは別に、事前に相談したAI (Claude) は「この月齢では噛みちぎった塊が詰まるリスクがあるので、前歯で噛み切れる薄さに」と窒息を心配していました。うちの子は咀嚼力があるほうで、どのくらいなら大丈夫かは親として分かっているつもりですが (実際このあと丸かじりにも挑戦させています)、AIの見解として書き添えておきます。子どもの食品による窒息・誤嚥が気になる方は、消費者庁の注意喚起をどうぞ (食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意)。
おかわりの選択実験
夕食を全部食べ終えたあとも、まだ食べそうな様子でした。ただ、ここできゅうりだけを見せて食べなかった場合、「お腹がいっぱい」なのか「きゅうりはもういい」のかが分かりません。そこで比較対象としてプチカスタードケーキを用意し、残りのきゅうり半分と両方見せて、選んでもらうことにしました。複数から選んでもらえば、お腹がいっぱいなのか、まだ食べたいのか、何が食べたいのかが分かります。ケーキは同じ日に同じスーパーで買ったものです。
結果は、きゅうりを手に取りました。どちらかというときゅうりを選ぶだろうとは思っていましたが、ケーキと並べてもきゅうりを選ぶくらいには気に入ったようです。
勢いがあったので半分をそのまま渡してみると、口に運んだものの、硬くて食べられなかったようです。薄く切ったら食べました。ついでに5cmほどの太い切り方も試したところ、口には入れたものの、これも食べられませんでした。この月齢では薄切りが妥当、というのが本日の結論です。太い塊は窒息の観点でも勧められないので、試すときも目の前で見守りながらにしています。
私も食べてみた
私は、たぶん比較的なんでも食べるほうです。初めての食材も「とりあえず食べてみる」くらいのチャレンジ精神はあります。そのうえで、いちばん嫌いな食材がきゅうりです。
今回は、こどもに出す前に味見をしないといけないという使命感から、がんばって食べました。冷やして、皮をむいて、薄く切ったものなら、スイカの食べ残す部分くらいの味で、なんとか食べられました。私にとっては、これがいちばん食べやすいきゅうりの形かもしれません。
興味深かったのは、20分後くらいに常温に戻った残りを食べたら、くさみが出ていて印象がかなり悪くなったことです。冷えているかどうかで印象が大きく変わる食べ物のようです。こどもに出すときも、冷えているうちがよさそうです。
とはいえ、自分がいちばん嫌いな食材を、こどもがおいしそうに食べているのを眺めるのは、ほほえましくもあり、なんだか複雑な気分でもありました。
後日談 — 翌日もきゅうり
気に入ってくれたようなので、この感覚を忘れないうちに、翌日も同じ手順で出しました。丸ごと見せて、手に取ってもらって、その場でピーラーで皮をむく。この日は皮を半分だけむいてみました。きゅうりを受け取ると、持ったまま部屋を走り回るくらいの気に入りようです。



2日目の発見もひとつ。1mmくらいの薄切りにしたら、それは食べませんでした。2mm以上のものは食べたので、たまたまなのか、薄すぎて食感が変だったのかは分かりません。切り方の適正範囲は、思ったより狭いのかもしれません。
いずれにしても、連日で食べたので、きゅうり好きは一日限りではなかったようです。
3日目 — 食べませんでした
と、ここまで順調だったのですが、そうは続きませんでした。
3日目は、2日目に残った半分 (切らずにラップで冷蔵保存しておいたもの) を出しました。時間の都合で調理ショーはなしにして、帰ってくる前にスライスまで済ませておき、食事の時間にお皿で出すだけにしました。
きゅうりだとは認識していた様子でした。ただ、この日の夜ごはんは冷やしトマト、ウインナー、ポテト、たまご豆腐と並んでいて、うちの子はいつも好きな順に食べる傾向があります。最初はきゅうりとトマトだけを置いてみたのですが、トマトを選んで完食し、次はウインナー — という調子で、きゅうりには手が伸びませんでした。
最後に一切れ口に入れてみたところ、少し噛んで、吐き出しました。
原因は分かりません。調理ショーがなかったからか、前日のきゅうりだったからか、事前にスライスして水分やひんやり感が抜けていたからか、あるいは単に飽きただけか。この日は条件を一度にいくつも変えてしまったので、切り分けができない結果になりました。ただ、口には入れたので、味か食感が期待と違ったのだろうとは思います。
3週間後の後日談 — 実家のきゅうりと、桃のその後
ここまで書いたあと、3週間ほど経ちました。その後の様子も足しておきます。きゅうりは、あれからあまり食べていません。
実家に帰ったときにきゅうりがあったので、また試してみました。同じように見せながら切ったのですが、一口だけ食べて、あとは食べませんでした。ちなみにこのきゅうりは1日目のものほど新鮮ではなく、握って痛いようなイボはありませんでした。「新鮮なきゅうりはイボが痛い」というのは、どうやら本当のようです。
ひとつ反省点も。実家で目の前で切ったとき、包丁に手を伸ばしてきて、少しひやっとしました。「目の前で切る」は、包丁に手が届かない距離を確保してやるのが前提です。

食べはしなかったものの、きゅうり自体は相変わらずお気に入りで、丸ごと1本を持って歩き回り、テレビに映っている人に食べさせようとしていました。分けてあげたくなるくらいには、良いものだと思っているようです。
実は桃も、その後の経過は似ています。目の前で切って何度かチャレンジしているのですが、食べたのは最初の1回だけ。その最初の1回は和歌山のおいしい桃で、そのあとはスーパーの桃だったので、味の差が原因かもしれません。同じ食材でもおいしいものは食べて、そうでないものは食べない、ということがよくある子なので、味の違いが分かっているのかもしれない。あるいは、最初は新しい食材との出会いを楽しんで食べていただけ、という説もあります。
というわけで、現時点の結論は「分からない」です。
まとめ — この実験でわかったこと
- 最初の出会い方が影響する (仮説の再現に成功) — いきなりスティックではなく、丸ごとの実物 → 名前 → 目の前で切る、の順。桃に続いてきゅうりでも同じ手順で食べたので、うちの子にはこのパターンが有効らしい。これで2例目。ただし後日談のとおり、「最初の一回を食べる」のと「食べ続ける」のは別問題らしい
- お腹が空いたタイミングで出す — 食べなかったときに原因を切り分けられるように
- 冷えているうちに食べる — 常温に戻るとくさみが出る。これは大人の実食で確認
- 切り方は2〜3mmの薄切りが妥当 — 丸ごと半分も5cmの太切りも本人は試みたが食べられず、翌日試した1mmの極薄も食べなかった。うちの子に合う範囲は思ったより狭い
- 条件は一度にひとつずつ変える — 3日目は「調理ショーなし・前日のきゅうり・事前スライス」と同時に3つ変えて食べなかったため、どれが原因か分からなくなった。切りたて・冷えたてが大事なのかもしれないし、飽きただけかもしれない。次はひとつずつ試して確かめたい
- 味と鮮度へのこだわり疑惑 — 新鮮なきゅうりと和歌山の桃は食べ、日にちの経ったきゅうりやスーパーの桃は続かなかった。「おいしいものしか食べない」のか「新しい食材との出会いを楽しんだだけ」なのか、結論は保留
実質73円で「こどもがケーキより先に手に取る野菜」を一度は作れて、分からないことが増えていく過程も含めて観察を楽しめたので、実験としては収穫ありです。次は、新鮮なきゅうりの切りたて (1日目の完全再現) で「飽きたのか、鮮度なのか」を確かめつつ、塩もみ (白ごはん.comの塩もみのやり方) や浅漬け風など、形を変えても食べるかも確認していこうと思います。
余談をひとつ。ふりかえってみると、きゅうりをスーパーで買ったのも、自分で切って自分で食べたのも、物心ついてから初めてでした (食べた経験自体、サラダに入っているきゅうりくらいです)。いちばん嫌いな食材で、この歳になって人生初の体験がまだできる。これはこどものおかげですね。
同じくらいの月齢のこどもと野菜に取り組んでいる方がいたら、「丸ごと見せて、名前を言ってもらって、目の前で切る」は道具も費用も特別なものがいらないので、試してみる価値はあると思います。うちの場合はきゅうり1本75円でした。この記事が、どこかの食卓が少しほっこりするきっかけになればうれしいです。
参考リンク
安全・下ごしらえ:
- 食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意 (消費者庁) — 球状食品は4等分する、食事中は姿勢よく集中させる、など
- ウリ科野菜・果物の苦味が強すぎると感じたら (和歌山県) — ククルビタシン類について
- きゅうり — 離乳食のための調理ポイント (パルシステム 子育て123) — 月齢別のきゅうりの与え方。より小さい月齢の方はこちらを
レシピ・食べさせ方:
- きゅうりの塩もみのやり方 (白ごはん.com) — 次回の「第二形態」候補
- 子どもの野菜嫌い克服法とレシピ (カゴメ VEGEDAY) — 子どもが野菜を嫌う5つの理由。「見た目・切り方の工夫」「食体験」は今回の観察とも重なる内容
同じような体験をされた方のブログ:
- 突然きゅうりを食べられるようになった息子の「野菜パラダイムシフト」(さんぽこさん / note) — 1歳8か月の息子さんが、それまで嫌がっていたきゅうりを突然食べるようになった話。大人がきゅうり嫌いを克服するには勇気が必要、という趣旨のことも書かれていて、まさに今回、食べてみてよかったなと思いました。考えてみると、切りたてで冷えたきゅうりを食べたのは、記憶にある限り初めてでした
- きゅうりの丸かじりにハマる息子 (有澤晴香さん / Ameba) — 3歳7か月の息子さんが『となりのトトロ』を見てきゅうりの丸かじりに。丸かじり、うちのこどももやりたそうにしていましたが、1歳11か月ではまだ早かった。皮には苦味もあるはずなので、うちはまず皮をむいての丸かじりからでしょうか。そういう時期がそのうち来るのだと思うと、楽しみです